山に登ると所々に、ガーデナーが植えたのではないか?というような、自生したとは思えないおもしろい生え方をした植物が存在する。その植物は人間が手を加えたわけではなく、ただそこに勝手に生えてきているだけなのだが、もしかしたら名高い庭師がつくった庭園よりすばらしい物なのかもしれない。私はここを神が創った庭と呼ぶことにした。
名前 : ミヤマキリシマ (芽)
九州各地の高山に自生するツツジの一種。火山活動で生態系が崩れた地域の山肌に優占種として咲く。花は5〜6月頃が見ごろで、山肌一面にピンクの絨毯のように咲き乱れる様子はとても美しく、多くの登山客が訪れる。写真は12月の雪の中、可愛らしくも逞しく生きるミヤマキリシマの芽。1909年に「深い山に咲くツツジ」という意味で「ミヤマキリシマ」と命名された。
text by 東 花行 / Hanayuki Higashi