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天女に会いに行く。

柳田蓉子さんインタビュー えびのエコミュージアムセンター解説員

柳田蓉子さんインタビュー
えびのエコミュージアムセンター解説員

柳田蓉子さんインタビュー
えびのエコミュージアムセンター解説員

「山の天気がどう変わるか、感覚で分かります」えびのエコミュージアムセンターに勤務するガイド(解説員)の柳田蓉子さんは話す。

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ショートカットに登山靴、制服のベージュのパンツ、ネイビーのブルゾンを着こなす柳田さんは、霧島の山を職場として7年になるという。それでも霧島の山は見飽きることがない。一ヶ月経つと、風景の何かは確実に変わっていく。季節で初めての花が咲いたり、鳥の鳴き声が違っていたり、湖の色が違ったりする。山を知り、山に受け入れられたと思うのは、天気の変化が自分の感覚と一致した時なのだと、彼女は教えてくれた。

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柳田さんの仕事とは、霧島の自然をガイドすることに加えて、霧島の山をパトロールすることも重要なミッションに含まれる。霧島連山は国立公園であり、動植物を保護する義務が国によって定められている。霧島の自然の一部を持ちかえってはならない、という決まりも入山者には求められている。だが、時には心ない観光客や地元の方が、貴重な植物を持ち帰ってしまうのだ。

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「かつては、エビネは畳二畳ぐらいの生息地があちこちにありました。今は、ほとんど見ることができなくなっています。エビネのブームがあり、数多くの盗掘が起こりました」「恐らく植物を持ち帰る方は、悪意がないのかもしれません。植物を好きになってもらうのはいいことなのですが、自然が元に戻れなくなってしまうということを理解してほしい」と柳田さんは訴えた。

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趣味が自然、仕事も自然、将来も自然の仕事を続けたいという柳田さんが、最近夢中になっている新しい趣味はクラシック音楽だ。霧島国際音楽祭でクラシックと出会ったという彼女は、地元の合唱団に入り、リコーダー、そしてバイオリンも始めた。いつの日か、えびの高原でバイオリンの音色が奏でられる日が来るかもしれない。

最後に柳田さんにとっての霧島とはどういう存在か、聞いてみた。「わたしを生かしてくれる山」迷いなくそう答えた彼女は、「みんなに霧島を好きになってもらって、もっと、この豊かな自然を、より豊かにしていきたい」と述べる。霧島が遣わした、自然と人びとをつなぐ、「天女」かもしれない。

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えびのエコ・ミューアムセンター / Ebino Eco Museum center
1 4 9 5 – 5 S u e n a g a , E b i n o , M i y a z a k i , J A P A N 8 8 9 – 4 3 0 2
0 9 8 4 – 3 3 – 3 0 0 2


text by 滝澤恭平

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