Iju blog 「全てはここにある。」
Hanayuki Higashi Art Director & Photographer for Amatsuchi
2014.10.10 / [霧島神宮 / 斎田抜穂祭]
朝10時。雲の隙間からほんの少し光が漏れている。
今年の6月に、この田んぼで「御田植祭」がおこなわれた。
今日の抜穂祭(ぬきほさい)は300年以上の歴史がある御田植祭と対になる神事だ。霧島神宮では年間100回を超える祭典や毎日の御日供祭にお供えするためのお米をここで育てていて、直会でもここで収穫したお米で作ったおむすびが振る舞われることも多い。
手順は御田植祭の流れと一緒だが、お清めされた苗を植えるのとは逆に、清められた鎌で刈り取った稲穂をお供えして、祝詞を奏上する。
祝詞の意味はこうだ。
「6月11日に御田植祭がありましたが、
その後、強い風や雨にも大きな被害を出さず、
立派な稲穂を収穫できたことを感謝いたします。」
植えるも苦労、刈るも苦労。
だから無事に収穫できたことに感謝する。
神話ではニニギノミコトは稲穂を持って天から降りてこられたというが、実は稲穂という名の「感謝の気持ち」を運んで来たのではないか?神道では宇宙や地球自体などを神々としているが、天変地異なども、後には感謝につながっていく部分も多い気がする。神々は人間に祈ることや感謝することを教えているのではないか。
祈りと感謝。
そんなことを思う今日この頃。
Peace☆
text by Hanayuki Higashi